楽譜を見て読み取る力、いわゆる、譜読みの力は、どんな順序で身につけてゆくのか、またそれぞれのふさわしい時期はいつなのか、という事について。
譜読みの力といっても、大きく2つの要素があります。
1つはリズム。リズムをパターンとして認識する。
2つはドレミ。五線上の音の並び方や、位置を読み取る。
まずリズムについて。リズムは4、5歳から読めるようになります。この時期には、ドレミを読むのはまだ難しい場合があり、音符を読むことよりも、リズムの形を教えるほうに重点をおきます。リズム打ちは喜んでやろうとします。
また、6歳くらいまでは、大人のやったことをそっくり真似できる能力があり、良いリズム感や正しい音程などの感覚を育てるのにふさわしい時期です。よく、英語の学習でも、幼児期は耳も良く、聞こえたままを真似するので、とても発音が良いという事がありますよね。それと同じように、音楽でも、幼児期の吸収の良さを活かして、リズム感、音感を育てるのが一番ふさわしいと言えます。
次にドレミを読み取る力、これは6歳頃から始めると、スムーズに進めることができます。もちろん、それ以前でもできますが、個人差があります。
何かを見て認識する時、全体を見てパッととらえる力を「パターン認識」と言いますが、その能力は、6才頃が最高で10歳頃から衰え始めるそうです。ですので、6才~10才の間に読譜力をつけるのが、一番、適しているんですね!
こういう子供の発達の特徴をとらえて作られたのが、呉暁先生の教本です。
『4歳のリズムとソルフェージュ』と『5歳のリズムとソルフェージュ』では、4,5歳児は、感覚的なものを直感的に与える。
『リズムとソルフェージュ①~④』(6歳~10歳) は、読譜力をつける。
といった風に、その年齢にふさわしい内容でできています。