『こもものピアノ☆再開ブログ』にも書いた記事ですが、加筆修正して、こちらにも投稿します。

エリック サティの、『スポーツと気晴らし』を紹介します。

これは、コラール1曲+20の小品からなる曲集で、全部弾いても15分前後。
1つ1つは、とても短く、2段~4段分しかなくて、1ページにおさまっています。

この曲集は、デッサンと音楽という2つの芸術的要素から構成されていて、線による形がデッサン、黒い点が音楽をあらわしているそうです。

そもそも、この曲集は、装飾画家シャルル・マルタンが描いた一連の風俗画に、詩画集ふうに短いピアノ曲つけようという、パリの出版者ヴォージェルによるアイディアで出版されたもの。初め、その作曲は、ストラヴィンスキーに申し込んだところ、「作曲料が安い」と断られる。ところが、次にサティのところに持ち込まれた時には、ストラビンスキーよりも安い料金を提示されたにも関わらず、サティは「不当に高すぎる」と言って、更に自分で苦労して値下げして(!)、やっと作曲を引き受けたそうです・・・。Σ(=゚ω゚=;)

楽譜が左ページ、風俗画が右ページ。
左ページの音符のラインが、右ページの絵のラインと対比してある曲もあって、なかなかユニーク。
目でみて楽しむ楽譜なんですね。(^∀^)
DSCF6087

(絵がなくて、譜面だけの楽譜も出版されています)
DSCF6086

この『スポーツと気晴らし』の特徴として面白いのは、いろいろのものが無いことと、普通無いものがあること!

まず、普通の楽譜にはある小節線が、ない。全体で一つということなのかな。

あと、調号がないので、臨時記号だらけです(笑)。1音1音に全部臨時記号があるから、まぁ、煩雑といえば煩雑だけど、分かりやすいといえば分かりやすいのかも。

拍子記号もない。けど、弾けば分かるよ。3拍子とか4拍子っぽいのが多い。拍子はとりやすい曲ばかりです。

それと、ふつう無いものがある、というのは、サティの書いた詩句!

たとえば、この競馬という曲には、

群集。馬の計量場。
レースのプログラムを買う。
賞を競う20人と20頭。
スターティング・ゲイトへ。
出走。
何頭かが遅れる。
負け馬たち(鼻はとがり、耳は垂れ下がって)

と、音符の上に書いてあります(笑)
なんだか、実況中継みたい!
その情景が脳裏に浮かんでくるようです。

こんな風に、1曲目から20曲目まで、全部、詩がついてるんですよ~。
面白いですね。

この曲の最後、『負け馬たち』の部分では、フランス国歌『ラ・マルセイエ-ズ』の旋律が現れます。これはどんな意味があるんでしょうねぇ。

では、競馬の情景が、浮かぶかどうか・・・、
20秒足らずの短い曲で、あっという間に馬が駆け抜けます。

よろしければ、どうぞ。

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楽譜はこちらを使いました。(画付き)

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